金工 /a.A.(エーエー) 長南芳子
硝子 /松原幸子
木工 /垣本圭子
異なるツールを用いて、一つの空間を発想の枝で結んだ三人展。
9月11日迄の会期にて、ギャラリースペースで開催中です。
『窓から見たいつかの景色』を各々の主観で切り取った今展示。
それは、どこかの小さな街の日常。
それは、どこかの部屋から見た海や川、空の記憶。
それは、どこかで見た幼少時代の淡い思い出。
【a.A.】
温かみのある真鍮の街。
手のひらサイズの小さな暮らしの中に見え隠れする細やかで優しい風景。
童話の様な世界観で表現された温度のある装飾群。
・郵便局の燕・小鳩ネックレス (¥8,000+TAX)
街にある郵便局で一番の働き者は燕と鳩の小鳥達。
鳩は近くの家々へ、燕は海を越えて、大切な手紙を皆の元へ届けます。
・一つの言葉ネックレス (¥6,800+TAX)
街の中心の広場に建つ美しいステンドグラスがある教会。
日曜日になると小さなお守りを胸に人々がお祈りにやってきます。
ポルトガル語で刻印された祈りの文字と不定形のバロックパールを合わせたデザインは、
同じ願いでも一人一人奥行きや形が違う事を比喩しているようにも感じ取れます。
写真の文字はFELIZ(幸せ)とUNIR(つなぐ)。
他にも、二つの異なる言葉を左右で散りばめたピアスデザインも。
・二つの言葉ピアス (¥8,000+TAX)
写真の文字はABRIR(開く)とPORTA(扉)。
街はずれの燈台守が持つカンテラをイメージした作品や、街のホテルに飾られたヤドリギをイメージした作品など、物語をそっと閉じ込めた造形が数多く並びます。
【松原幸子】
ほぼ経年変化しない硝子。
それは時間と共に歩き歳老いていく人々とは違い、その場に立ち止まり、過行く時間をただ見届けて行く一つの標の様なもの。
そんな硝子にいつかの憧憬を重ねて松原幸子 氏の作品は作られます。
・stone+glass (¥3,000~¥5,000+TAX)
硝子の主成分は珪砂。簡単に言うと石英が砂になったもの。
調合され、溶かされ、形作られて生まれた様々な板硝子。
そんな板硝子と石とを張り合わせたり、切ったり、削ったりする事で遠い昔は一つだった記憶に辿り着きます。
海辺で拾った石ころとリンクする原始の風景。
・ごがつのそら (¥4,500~¥11,000+TAX)
“いつもあなたの上に広がっている空。
忙しくて空も見上げる事を忘れてしまった人にこそ思い出して欲しい。
『アイスクリームみたいな雲』
『怪獣みたいな雲』
『オバケの様な樹の枝』
『空に根付くように伸びる樹の枝』
大人になった今もずっと変わらず、側にある事を思い出して欲しい。”
見方一つで、いつでも純粋な気持ちにトリップ出来る事を再確認させてくれる窓辺の似合うオブジェ。
【垣本圭子】
人類の起源から、一番身近な素材として用いられて来たといっても過言ではない木。
乾かし、剥いで、削り、温め、曲げて、磨いて。
素朴な中に薫るのは木特有の穏やかな質感。
作品達は、鉛筆でなぐり描きしたようなイメージで制作されています。
幼い瞳に映った窓の外の彩り。
『何であるか?』より『何に見えるか?』という各々の捉え方で。
感覚の奥底に響くものをお探し下さい。
・アートピース オブジェ (¥8,000+TAX~)
ネックレス (¥6,000~¥7,000+TAX)
バングル (¥4,500~¥6,000+TAX)
ハットピン (¥6,000+TAX)
“丁寧な暮らし”という緩やかな流れの中に浮かんだ笹船の様な会期、是非足をお運び下さい。
きっと気付きが見つかる筈です。
「夏の3人展 窓から見たあの日の風景は」
会期:2016年8月20日(土)→9月11日(日)
@Fuligoギャラリースペース
窪田
アクセス:
矢場町駅1番出口から徒歩5分
栄12番出口から徒歩10分
金曜定休