岩絵の具や和紙、箔や漆を用いて一点一点手作業で制作される腕時計はなもっこ。
その奥ゆかしい文字盤に和の趣が感じ取れる時の器が現在充実しております。
店頭でご覧頂けるのは全4型。
今回はデザインに分けてご紹介して参ります。
【こないろ】
和紙に岩絵の具で着色を施したシリーズ。
日本画を描く際に用いられる「岩絵の具」は7世紀ごろ高麗の僧が紙や墨とともに日本へ伝えられたといわれる主に鉱物を砕いて作った絵具です。
高松塚古墳の壁画や法隆寺金堂旧壁画にも使われその色彩は1300年以上経っても褪せる事なく美しい色を今に伝えています。
粒子が大きくきらきらとした独特の美しい風合いを持ち、砕き方が細かいほど淡い色になり、荒いほど濃色になるという特徴があります。
幾重にも塗り重ねて表現されるその色は繊細で優雅な和の色です。
0.1mmを越えない様に薄く、しかしながら、しっかりムラ無く色付けされた文字盤。
インデックスの箔が優雅な風合いをより薫らせます。
アマゾナイトの粉末で着彩された文字盤。
オブシディアン(黒曜石)の粉末で着彩された文字盤。
アズライトの粉末で着彩された文字盤。
【かさね】
” かさねの色目” という平安時代の装束の袖口などに見られる配色を参考に、岩絵具や金箔などを組み合わせたデザイン。
はなもっこの故郷金沢を代表する素材である金箔を大胆に使用した腕時計です。
金箔にも配合率により様々な種類があり、こちらの文字盤には三種類を組み合わせました。
典具帖紙という最も薄い和紙に金箔を二重に貼り付け、その和紙を細く切って文字盤に貼りつけています。
金箔は1 万分の1mm という極めて薄い素材なので、和紙の繊維がテクスチャーとして浮かび上がり、 表面が乱反射する独特な質感に仕上がっています。
絢爛な面持ちでありながらも、どこか品のある落ち着いた印象。
12箇所の点は金箔あるいは銀箔を貼り付けた和紙を丸く打ち抜き、ひとつひとつ膠で貼り付けています。
腕時計として現代のファッションの袖口を彩る和菓子のようなやさしい配色をお楽しみください。
水晶の粉末、天然柳裏葉(岩絵の具)、箔を重ねた文字盤。
異なる色味の金箔同士を重ね合わせた文字盤。
【紋切り】
胡粉(ごふん)という貝殻を粉末にした白い絵具を染み込ませた和紙を文様のかたちに切り抜き、銀箔と薄い和紙で作った地に貼り付けました。
時間を示すインデックスは和紙に貼ったいぶし銀の箔を丸く打ち抜いたものを一つ一つ手作業で付けたもの。
見る角度を変えることで下地の銀箔が輝き文様が浮き上がる、繊細でとても美しい腕時計です。
・紋切り 鱗 シルバー(ユニセックス)
「再生」を意味する鱗の紋様をイメージした文字盤。
【漆】
はなもっこの中でも一際上品な照りを放つ漆シリーズ。
漆塗りの職人が一枚一枚手作業で天然の本漆を塗って制作されています。
鏡のように磨き上げられた表面は呂色(ろいろ)仕上げという技法で仕上げられたものです。
時間を示す点も一つ一つ加賀蒔絵で付けられており、東西南北に光る遊色の螺鈿も美しい時の器となります。
漆の深く透明感のある輝きをお楽しみ下さい。
店頭にはここではご紹介していないお色味のものも御座います。
是非ご縁のある間に。
窪田
アクセス:
矢場町駅1番出口から徒歩5分
栄12番出口から徒歩10分
毎週金曜定休