古きをたずねて新しきを知る。
これは『そもそも新しさとは?』という自明の問いに向き合う行為でもあります。
「文明」は物理的であり「文化」は精神的である。
「文明」は生活を豊かにし「文化」は心を豊かにする。
類似した二つの言葉はざっくり言うならそう区別されてきました。
ただ、様々な生活様式の変化により、ここで言われる「豊かさ」の定義が現代社会では急速的に枝分れしています。
『圧倒的に速く目的地への移動が可能なリニアに豊かさを感じる人もいれば、車窓から見る景色がゆっくり変わっていく各駅停車の電車に豊かさを感じる人もいる。』
これは前者が文明で後者が文化、とも受け取れますが、単純に双方文明あるいは文化とも捉え方によって受け取れます。
ここの境界線ってとても曖昧なものだと僕は感じますし、白黒はっきり明確に区切る必要性は無いと思っています。
ただ、切り離して考えた方が整理し易い場合もあるし手段としてそういった思考をちゃんと持っておいた方がいいなぁとも思います。
ドストエフスキーの罪と罰 上下巻。
これを一つの話と括るのか、二冊の本と分けるのか。
そんなイメージでしょうか。
話を戻すと、文化や文明の発展に準じて豊かさって定義もより多様化してってるって事です。
滅茶苦茶当たり前なんですが。
『より豊かになれる最先端の包括的な物事』を『新しい』と言い換えて来た・言い換えていると読み解けば冒頭の問いに行き着くのはとても自然な事です。
これは同時に豊かさをたずねる行為に繋がるんですから。
3年目を迎えたヴィンテージ時計のトランクショー。
今月末より始まります。
利便性に富んだものが尊いのか、少し手がかかるくらいの方が愛しいのか。
豊かさを個人個人が選べる今の時代、過去との会合を経てはじめて自分の趣向を天秤にかけれるのではないかと思います。
燃費も悪いし車検代もバカにならないがやっぱり愛しいクラシックカーなのか、類似したフォルムが多いかもしれないけど燃費も乗り心地も良いハイブリッドカーなのか。
各々の測り方で、各々にとって純粋にいいと想えるものを選んでもらえる会期になる事を今回も願っています。
また、今回はこの機会に合わせてご覧頂く為、ヴィンテージジュエリーもどさっと仕入れて来ました。
予てよりルートも模索していましたが漸く叶った念願です。
店頭で顔を合わせる面々の装いや趣向を思い浮かべつつも、あっと言わせる意図せぬ発見も提案出来るようじっくり悩んで買い付けました。
ナバホを中心としたインディアンジュエリーからHermèsやGucciといった今回の時計に紐付けたビッグメゾンジュエリーまで幅広いラインナップをご用意しています。
毎回このイベントを心待ちにしているとお声掛けして下さる方も増えて来ましたので、過去に購入頂いた方にも虎視眈々と御縁を待っている方にも過去会期以上に楽しんで頂ける一時となれば幸いです。
持論ですが、「新しいもの」の多くは前(未来)からより後ろ(過去)から来る事の方が多いと思っています。
ファミコンだったりフィルム写真にぐっと来たり、老舗の銭湯やレトロな喫茶店やクラシックカーに焦がれたり。
これはきっと古きを新しきと解釈しているからではないでしょうか?
巡り巡って回帰する事も一種の新しさなのかな、と。
上記は2年前のblogに記した言葉です。
今でも変わらず同じ事を想えてるって事は、僕個人の豊かさはやっぱり此処に根差しているみたいですね。
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vintage watch & vintage jewelry trunk show
会期:3/26(土)~4/3(日) 4/10(日)※会期延長
会場:Fuligo店頭
期中店休予定日:1.8
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[2022年 イベント予定]
・3/12~3/27:Kuraishi Takamichi個展(分室)
・3/26~4/3 4/10※会期延長:vintage watch & vintage jewelry (店頭)
・4/2~4/10:FREijA 受注会(分室)
・4/9~4/24:Fillyjonk popup(店頭)
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窪田
アクセス:
矢場町駅1番出口から徒歩5分
栄12番出口から徒歩10分
毎週金曜日定休・不定休