啓蟄の候を過ぎ、冷たい風に時折立ち止まりながらも外気は日に日に暖かな方向へと歩みを進めている印象。
冒頭で述べた「啓蟄(けいちつ)」という単語。
こちらは主に二十四節季で用いられる時候の言葉です。
「開く」という意を持つ「啓」と「虫などが土中に隠れ閉じこもる」という意を持つ「蟄」を合わせ、「冬篭りしていた虫たちが地上に這い出て来る時期」という意味合いで春を告げる言葉として使われます。
今回紹介するこの作品も出処は土の中。
・YOSHIKO CHONAN / ツモルトキ ブローチ (ダイオプテーズ)
緑青を纏った真鍮が天然石を咥え込むブローチ。
YOSHIKO CHONANの緑青作品は真鍮を一度土に埋め、時間に委ねる所から始まります。
時間をかけて少し眠らせ、ある一定の時期が来たら掘り起こす。
季節・気温・湿度などによって濃淡は違えど、掘り起こしたその表面には芽吹く様に緑青が広がります。
合わせるのは作家が厳選した天然石。
素材自身が湛えた純粋な美しさにリスペクトを込めて、最もそのままの個性が引き立つであろう形として装飾へと昇華されます。
こちらのダイオプテーズは硬度の兼ね合いからあまり装飾に用いられる事の無い石。
こういった石を使用している所にもその片鱗がしっかりと感じ取れます。
店頭には他に、アメジスト、ナスカクォーツといった面々をご用意。
・YOSHIKO CHONAN / ツモルトキ ブローチ (アメジスト)
・YOSHIKO CHONAN / ツモルトキ ブローチ (ナスカクォーツ)
眠りを経て青芽吹く装飾、是非手に取ってご覧下さい。
それではまた。
窪田
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