兼森周平と平岩尚子によるデザインユニットFillyjonk(フィリフヨンカ)。
穏やかな“暮らし”をデザインに落とし込むクリエーション。
二人が織り成すノスタルジックな作品は老若男女問わず、高い人気を博しています。
そんなFillyjonkの新作は『LIGHT HOUSE』
その名の通り燈台を主役にした作品群。
デザイナーが書いた4つの物語を照らし、結ぶ装飾です。
【1、4人の燈台守】
好き勝手な老人4人は子供の頃、街はずれの燈台によく遊びに来ていた。
その頃の燈台はもう亡くなってしまい、燈台は無人の廃墟のようになっていた。
仕事を辞めた4人の老人達は燈台に住み着き、好き勝手に燈台を改造し始めた。
野菜を作り、花を摘み、お裁縫をやり、釣りをして、増築を繰り返し、毎晩酒を飲んだ。
でも必ず1日1人だけは酒を飲まないようにしていた。
4人の老人達は当番制で燈台守をしていたのだ。
燈台守は規則正しい生活をしなければならないのだ。
なんのため?
もはやその作業は彼らの生活の一部であった。
これがなくても地球はまわるが、これがなくては酒が美味くない。
【2,ウミネコ燈台】
「ウミネコに餌をあげないでください」
その燈台のふもとには、そう書かれたサビだらけの看板が立っている。
浜木綿(はまゆう)の咲く小道をぬけた岬の先端に彼らの燈台がある。
燈台は彼らの大繁殖地となっていて、壁のくぼみや展望台などに木の枝で作られた彼らの巣がいたる所にある。
彼らは毎年冬の初めにやってきて次の春に去っていく。
その為燈台上部の展望台は冬は営業していない。
去年の春も巣立っていって冬またやってきて、今年の春もまた巣立っていって冬またやってきた。
おんなじことの繰り返しのように聞こえるかもしれないが、小さなことに目を向けてみると、これが実に変化に満ちている。
“ずっと変わらずにあることと、小さな変化を繰り返すこと”
「ウミネコに餌をあげないでください」
その燈台のふもとには、今年きれいに塗り直された看板が立っていた。
【3,燈台の記憶】
世の中楽しいことだらけといった感じの老いた釣り人が言うには、この世界のどこかに平野の農村にたつ燈台があるらしい。
言い伝えでは、その燈台は三つ首の怪物を倒したある岬に建てられたとされている。
近海は岩礁が多く難所だったため船乗りにとって重要な燈台だったが、長い時間がたって海は干上がり平野の中に打ち上げられてしまった。
ぽっかりとした平野のなか燈台は直立していたが、やがてかつての船乗りが集まり燈台の周辺に飲食店街をつくっていった。
さらに燈台のふもとから石炭が発見され炭鉱の街として大いに栄えたが、石炭がとれなくなりまた寂れてしまった。
新しい港ができてからは旧い港町の中継地点として、炭鉱のころの建物を活用した市場が開かれるようになった。
いまでは老いた農村の中で燈台はのんびりと直立している。
「いろんな事が波のように通りすぎていくがな、そこでやってきたことに無駄なことはなにひとつないんだよ」
そう言い放って釣り人は市場にむかって行った。
【4,旅する燈台】
朝が来て、燈台は旅することにした。
浜辺を歩き、キャベツ畑をぬけて、橋をわたり、谷筋をとおって、山を登り、沢を下って、海に出た。
そこにはきれいな夕日があり、しばらく眺めていたが、燈台は帰ることにした。
燈台は今日もじっと海を眺めている。
4つの海、生活を繋ぐ灯火。
Fillyjonk roca mini 燈台ネックレス ハーキマーダイヤモンド GD
Fillyjonk roca mini 燈台ネックレス ブルーカルサイト SV
是非店頭にてご覧下さい。
窪田
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