「愛を込めて作りました」
そう書かれた直筆の便りと共に届いた新作の一報。
4年前、アポイントを取り付けて店頭に作品を持ち込んできたMIKU FUKAMITSU。
以前、友人が参加していた東京は渋谷のグループ展に行った際に偶々彼女の作品を見る機会があり、その時から不均等で曖昧だけど何処か芯が通った造形を作るブランドとして彼女の存在は知っていた。
何というか、はじめて彼女の作品を見た時に浮かんだのは氷塊・薄氷・細雪・シャーベット。
そんなキーワード。
涼やかな佇まい、シンプルだけれど少しの違和感が感じられるシルバーの装具。
ハンドメイド作品などに多く用いられる「温かみ」といった形容とは正反対な印象を初見で感じた事を覚えている。
実際に会ってみて意外だったのは、彼女がとても情熱家だったという事。
人が抱く勝手な妄想・想像なんて限りなくあてにならないと痛感した。
話すほど確かな熱量がわんわんと伝わって来る。
強すぎない抽象的なロジックと、無骨なまでに真直ぐな信念みたいなものが心地よくて、その時思案していた大阪でのイベントに参加して頂く事にした。
「“なんとなく”いい」っていう一種の枕詞を冠した気体が、「いい」といった固体へと目覚める瞬間が稀にある。
僕の場合はその人に触れた瞬間が圧倒的に多いのだけど、MIKU FUKAMITSU も正しくそれだった。
俗に言う嬉しい誤算ってやつ。
彼女との縁はそこからだった。
大小に関わらず、世の中に転がるほとんどの物事に必ずくっついてくるのは『なぜ?』っていう疑問だ。
薄っすら見えにくい「?」からデカデカとはっきり見える「?」まで際限なく、幅広くそれらはある。
そういったクエスチョンマークをいちいち一つ一つ懇切丁寧に砕いていく必要性は僕には分からないけれど、そういったものが存在しているっていう自覚みたいなものは無いより在った方が良い気がするし、せめて自分が好きだと想える人や物にくらいは可能な限り真摯でいれたらな、とは思う。
彼女の作品をはじめて見た時から今とで大きく異なる点が二つある。
一つは当たり前に四つ歳をとった事。
もう一つは MIKU FUKAMITSU の作品を「いい」と言い切れる事。
彼女がつくる造形、そこに付随してくる様々な「?」を自分なりの解釈と探求心をもって楽しめる今は、きっとあの頃とはまったく違う。
真摯にやります、込められたものに対して誠実に。
心地よい熱を湛えた、湧き出る疑問に愛を持って。
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HEAT
「HEAT」は何かを探求し、それを続けているひと、熱を持って頑張っているひと
その熱をこれから欲し求めているひとの背中を押せるような、
そして共に挑み戦えるようなジュエリーを目指し製作いたしました。
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年に一度、コレクションとして新作を発表する MIKU FUKAMITSU。
今までの彼女とこれからの彼女を津々と募った確かな情熱で結んだ意欲作の集いとなります。
是非店頭に足をお運び下さい。
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MIKU FUKAMITSU trunk show『HEAT』
会期:10/12(土)~10/27(日)
会場:Fuligo店頭
店休:毎週金曜日
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[2019年 イベントスケジュール]
・9/28~10/14 :yuka ishikawa 個展(ギャラリー)
・10/12~10/27:MIKU FUKAMITSU トランクショー(店頭)
・10/19~10/27:GARA AW即売会(ギャラリー)ㅤㅤㅤ
・11/2~11/10 :Six coup de foudre トランクショー(ギャラリー)
・11/2~11/17 :ito atsuko トランクショー(店頭)ㅤㅤㅤ
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窪田
毎週金曜定休