2/29(土)~3/8(日)の会期にて、店頭ではネオヴィンテージ時計のトランクショーが始まります。
じっくりと会期を設けたイベントが多いこのお店にしては短めの会期。
予てよりヴィンテージウォッチにフォーカスした催しをここでやってみたいと思案していましたが、ようやくご縁を賜り開催できる運びとなりました。
今回のトランクショーではHermès、Cartier、Tiffany、Omega等、名の知れたブランドが過去に仕立てた名器(20年前~それ以前のデザイン)を中心に20点~30点程ご用意させて頂く予定です。
普段腕時計を着用しないという方も昨今は少なくないと思います。
携帯電話なんかで事足りてしまうといえばそれまでな訳ですから。
ただ、僕はほぼ毎日腕時計を着用しています。
ウチはジュエリーを主としたセレクトショップですので、アクセサリー感覚での着用といった側面も勿論あります。
ですが毎日着ける一番の理由は腕時計着用時特有の「所作」に他なりません。
腕を上げ、袖を少し捲りながら時間を覗き込む動作。
その様が佇まいとしてとても好きなのです。
特に古い盤面のものを永く大切に使用している方の所作には奥ゆかしさというか風情の様なものを強く感じます。
僕の脳がこれまた古いのかもしれませんが、昔から なりたい大人・いい大人 を想像した時、その腕には決まってクラシックな文字盤が常に浮かんでいるんです。
持論ですが、「新しいもの」の多くは前(未来)からより後ろ(過去)から来る事の方が多いと思っています。
ファミコンだったりフィルム写真にぐっと来たり、老舗の銭湯やレトロな喫茶店やクラシックカーに焦がれたり。
これはきっと古きを新しきと解釈しているからではないでしょうか?
巡り巡って回帰する事も一種の新しさなのかな、と。
幼少次第、当たり前に見ていたセル画アニメを数十年後の今新鮮に感じるのと同じ様な。
一概に時系列による新着順で捉えたものと定義付けず、自身が見聞き・体験して来た経験にあてがって導き出した結果、“その時の自分”が新鮮だと感じられるものを「新しいもの」とする。
言うなれば再発見に近い感覚なのかもしれません。
様々な解釈がネットというアンプリファイアによって猛スピードで往来する時代、一つから派生した様々な思考・解釈の幅が広がれば広がるほど、偏れば偏るほど、その反動は大きく色濃くなります。
そういった亀裂というか溝というか起伏というか密集というか、そんな場所から流れ出たものをカウンターカルチャーなんて呼んだりするのかな、とも考えたり。
目の前の風景は一刻一刻変化していきますが、通り過ぎた風景はその瞬間から静止画となり変わる事はありません。
古い建造物やそれらから成る町並み、先人達の文言や思想等、それらに心を打たれる人々が絶えないのは、日々更新されていく営みの上で多様な解釈が上書きされながら循環し、その不変不動の静止画(ルーツ)が今尚鮮度を失わずに存在しているからだと思います。
温故知新とはよく言ったものです。
今回主になるネオヴィンテージウォッチとは、
ヴィンテージを基に新しくデザイン・アレンジしたもの。
オリジナルを理解した上で、新時代、新世代による新しい解釈によって創り出されたものを指します。
今に至るまでの経過を鑑みる事で、何かしらの新しい気付きや解釈が見る方々の内側に生まれる会期となれば幸いです。
それが時間を司るものとなれば殊更。
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NEO VINTAGE WATCH trunk show
会期:2/29(土)~3/8(日)
会場:Fuligo店頭
会期中店休:金曜日
営業時間:12:00→20:00
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[2020年 イベントスケジュール]
・2/29~3/8 :ネオヴィンテージ時計展(店頭)
・3/14~3/22 :jouer avec moa? オーダー会(店頭)
・3/14~3/29 :GARA 2020 spring(ギャラリー)
・4/4~4/26 :nishikata chieko popup(店頭)
・4/18~5/10 :kitamura masahiro 個展(ギャラリー)
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窪田