4/2(土)~4/10(日)の一週間、分室にて新しい取り組みをご紹介いたします。
廃材を主な素材とし、そこにファッション性を落とし込んだアパレルブランド『FREijA(フレイア)』
今展がブランド立ち上げ後初めての外部催事、いわゆるデビュー戦です。
彼女とは10年以上親交がありますが、出逢った時から大量消費・大量生産されるもののサイクルについて考える人でした。
葛藤と共に20年弱ものづくりに携わって来た彼女はある日決断を下します。
「ブランド(自身)という大枠の中で扱う手段として循環をテーマにする」のではなく「循環という大枠の中にブランド(自身)を設ける」
サスティナブルやSDGsという言葉が市民権を得たり新たに生じる前からずっと眺め考えてきたその場所。
今までの仕事を全て断ち切り、彼女はそこに自分の新しい屋号を建てる事にしました。
画像はスクラップになる自動車のシートベルトを利用したバッグ。
素材独自の堅牢さや肌触りを活かしつつモダンなデザインに昇華しています。
コンセプトがどんなに胸を打ったとしても、内容が伴っていないものは響きません。
彼女の作品を見た時、僕には伴っているものとして大きく響きました。
粗削りな部分も含めてどしんと。
期中は他にも様々な作品が並ぶ予定ですので、是非実物を手に取ってご覧頂ければ幸いです。
ものの生まれる場所とものの行き着く場所。
行き着いた場所が墓場ではなく又生まれる為の場所となるよう願う彼女の門出に触れに来て下さい。
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FREijA 受注即売会
会期:4/2(土)~4/10(日)
会場:Fuligo分室
期中店休予定日:4/8
ブランド名のFREijA(フレイア)の由来
最初のきっかけは、外国人である友人が毎週金曜日にポエムを送ってきてくれていた事。
何気ない“金曜日“がワクワクする特別な日に感じるようになっていった。
そう想ったら、そもそも一般社会の”金曜日=週末の賑わい”ってそういうワクワクの集合体みたいなもんだなって。
そしてその時、自分がもし新しいブランドを作ったら、私の作ったものが金曜日のワクワクする気持ちのような特別な存在になりたいな、とか私が作ったものを見たり身につけたりした時に、金曜日のワクワクする気持ちになったり、そういう気持ちを思い出したりしてもらえたらいいな、と思い始めた。
最初は度ストレートにFRIDAYにするつもりだったんだけど、友人が“FRIDAYの語源はフレイアらしいよ“と教えてくれて、調べてみたところ、フレイアは北欧神話に登場する“美と愛の女神“の事だったんだよね。
“女主人”って意味合いがこの言葉にあるのもそうだったし、何より自分が新しい事を始めるなら
与えること
受容すること
喜びをシェアすること
などの女性性を軸にしたいと考えていたから、なんてピッタリなんだ、って感じてこのブランド名に決めたの。
ブランドを始めたきっかけ
最初のきっかけは大きなショックから。
私がNYに長期滞在していた2013年はファストファッション大流行の真っ只中で、多くの人が新しい服を安く買い求め、そして使い捨てる、ということを頻繁に行っている、また安くなんでも買える、どんなデザインのものもある、そんな時代だった。
そんな時代の中、私はこのまま今までと同じように洋服を作り続ける意味なんて無いんじゃないか?と自問自答が始まる。
と同時に、当時“コンセプチュアルな物作りであること“に縛られていた私は、その場の直感(きらめき、ワクワク)に従い買い物をする人たちを目にして、やっぱりファッションってシンプルに“楽しむもの“なんだな、と再確認して喜びを感じる。
(自分自身がファッションに興味を持ち始めた頃のフレッシュな気持ちを思い出す)
大きなショックと喜びが同時に襲ってきた当時。
そして同時期に見たドキュメンタリー映画「THE TRUE COST」の衝撃。
これはファストファッションがもたらした環境汚染や人体への悪影響、低賃金問題、ゴミおよび廃棄問題など、ファストファッションの裏に隠された闇の一部を(暴露し)映像にしたもので、これは決して他人ごとではなかった。
身近にもある、低賃金問題、ゴミおよび廃棄問題これをなんとかできないだろうかという思い。
シンプルにファッションを楽しむこと=ワクワクする気持ちをシェアしたい。
アップサイクル、サスティナブルでありたい。
この両方が共存できることはできないのだろうか、と悩みながら月日は経ち、
徐々に、サスティナブル、エシカル、アップサイクル、などの言葉が日本でも浸透し始める。
そんな中、車業界で働く兄が趣味で始めたシートベルトを使ったカバン作り。
最初は、車業界の素材だということと、兄が作っていたものがカバンだったこともあり、
自分とは“別世界のもの“と認識していて自分とは切り離して外から見ていた。
しかしそれが、エアバッグ(という素材)を見た瞬間に一気に“自分の世界のもの“に変わる。
シートベルトは“線“だけど、エアバッグは“面“だから、より布に近い。
そして自分でもシートベルトやエアバッグを素材にしてバッグを作ってみると、
作りながら、自分の中の点と点がつながってしだいに線に変わっていき、これならワクワクをシェアしながらアップサイクルやサスティナブル全てが共存できると実感。
ゴミは、“ゴミ“と決めた瞬間に“ゴミ“になる。
誰かが“ゴミ“と定義したものでも別の人の手に渡れば資源であったり材料であったり何かしらの特別になりうる。
そうやって心の底から感じられるようになったことが、本当にブランドとしてやっていこうと決断できた大きなきっかけだった。
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[2022年 イベント予定]
・3/26~4/3:vintage watch & vintage jewelry (店頭)
・4/9~4/24:Fillyjonk popup(店頭)
・4/16〜5/8:suzuki yuki個展(分室)
・4/29〜5/22:revie objects(店頭)
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窪田
アクセス:
矢場町駅1番出口から徒歩5分
栄12番出口から徒歩10分
毎週金曜日定休・不定休