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Chi アクセサリー イベント

nishikata chieko trunk show:4/4→4/26

投稿日:2020年3月22日 更新日:

 

山形県を拠点に活動する nishikata chieko が織りなすジュエリー。

おおよそ1年ぶり、2回目となるトランクショーを店頭にて開催致します。

 

 

 

真鍮・銅・洋白をベースに荒廃感を持って素材特有の個性を引き出す装具。

身近にある日々の記憶から着想を得て制作される銀の装具。

 

異なる表情を持った各セクションを一堂に集めた会期となります。

 

 

 

僕はこれっぽちもスピリチュアルな人間ではありませんが、温度みたいなものは何にでも宿ると想ってる性質(たち)です。

そういったものは何処からやってきて、何処に宿るのか。

結局は背景・人なのかな、と思います。

月並みでいて磨り減るくらい多用される形容ですが、何だかんだここが落としどころであり、一番核心に近いものだと感じますから。

 

以前ラジオだかテレビだかで聴いた話ですが「何だかんだ」の重要性ってのがあります。

何のバンドが好きですか?って質問に「ボブ・ディランかな」と答えられても、なんかしっくりこなかったり、気取ってんなぁ、って思っちゃったりするみたいな話です。

ただ、「何だかんだボブ・ディランすかね」って答えられると割と素直にへぇなんて頷けたりする、と。

何が違うのかって話ですが、要は「何だかんだ」の中には様々な背景が汲み取れるからという解釈です。

その人がその人なりに歩んできた経験・経緯みたいな。

「ローリングストーンズやビートルズ、ジミー・ヘンドリックスやオアシスも聴いてきたけど」みたいな前置きがある事に近いかもしれません。

受け取る側がそれを想像した瞬間から背景の温度が変わる、あるいはそれに気付いた瞬間から温度を感知出来るようになる。

ある種の場数みたいなものが信頼や説得力を引き連れて来たり、言葉の浸透圧を変えるって事ですかね。

 

大分前にふわっと流し聞きしていた話ですが、数年経った今でもサブリミナルの様に脳裏へしっかり挟まっています。

 

だらっとした余談になりましたが、会期前に作り手である 西方 智衣子 氏と対話させて頂いた時の記録も記します。

淡々とした言葉の端々に彼女のやわらかさや実直な姿勢、穏やかな人間味の根っこを感じました。

作品の裏側にまで関心を持ちながらご覧頂ける会期となれば幸いです。

ぼんやりとでも、それこそ先々の「何だかんだ」に繋がるものとなれば尚の事。

 

 

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※F=Fuligo / 西=西方 智衣子

 

 

F:ブランドを始めたきっかけはなんですか?

 

西:美術短大で鋳造を学び、そのころから制作している花器があるのですが、その色合いを身に着けたいと言われたことがきっかけで装身具を制作しました。

喜んでもらえたのが嬉しくて、自分でも身につけられることが楽しくて、ブランドとしてはじめてみようと思いました。

 

F:なるほど。始まりってそれくらい何気ない動機で十分だったりしますし、身近な人達から派生してにょきにょき根っこを深めていく事の方が多いですもんね。

真鍮・銅・洋白といった素材を用いようと思ったきっかけ・経緯はあるんですか?

 

西:板材を使って作りたいと思い、一番はじめに思いついたのが真鍮板でした。

それは、鋳造で扱っていた金属がブロンズ・真鍮・白銅・アルミだったのもあって、焼くことで良い色が出るだろうなと直感的に感じた為です。

次に銅板を使ってみたらきれいな赤い色になり、白銅の代わりに洋白という素材を使ってみると黒と銀色が生まれ、真鍮を錆びさせて緑青をふかせると美しい青い色が出せました。

緑青は銅が含まれている金属には発色するので、銅や洋白の金属でも可能なのですが、使っていくうちに緑青がとれ、もとの素材の色が出てくることも想定して真鍮を使っています。

そんな風に実験を重ねながら生まれていきました。

 

F:はじめて西方さんの作品に触れた時、素材特有の荒廃感にぐっとくるものがありました。「実験」って表現がしっくりくる部分が見た目にもあって「偶然と必然の中間」みたいな風合いが何とも奥ゆかしくてじーっと作品を見てたのを覚えています。

昨今はシルバーも素材として用いて制作されていますが、デザインを考えたり手を動かす時に区別している点とかあるんですか?

 

西:2013年からブランドをはじめて徐々に色を増やしていって、4色(真鍮・緑青・銅・洋白)が定番になってきた2017年の頃から、一年ごとに新作としてシルバーを用いた装身具を作り始めました。

全く別のラインを作りたくなった、というのが素直な気持ちで、日々の中で心にとめた感覚を形にすることに取り組みました。

コンセプトや形を表現したかったので、技術的な面で焼いたり錆びさせたりという加工はしないと決めて、定番ラインとは区別しています。

 

F:「具体的な素材を軸に作られる抽象的な造形」と「日々の記憶を軸に作られる具体的な造形」って所ですかね?ベースとなる受け皿やアプローチが違う事でまったく異なる脳・分野として自立してる印象があります。素材を分ける事がブランド(デザイン)に何か変化をもたらしたりしてるんですか?

 

西:結果的に素材が分かれているのですが、同じものを安定して作り続ける定番ラインと、新しいものを生み出すシルバーラインと両方あることで、ブランド全体を俯瞰的にみることにつながっているんじゃないかと思っています。

 

F:ものづくりの中で大切にしている事や、身に着けるものをつくる上で大切にしている事は何でしょうか?

 

西:ものづくりで一番大切にしていることは、そうですね、装身具には、心を豊かにする力があると信じることです。

そして、身につけて心地よいものであること。

自身でも普段から身につけているので、自分が身につけたいかが先ず基準になっていると思います。

 

F:形容や認識の差異ではありますが、真鍮などはクラフト的な要素が根強く「ジュエリー」といったカテゴリーより「アクセサリー」といった認知や受け取りの方が国内ではまだまだ多い素材だと思います。

個人的にはこういったカテゴライズ自体が時折どうなのかなって思う時があります。

何となく乗ってきたジャンルやチャンネルの様なもので、それこそ何となく縛って区別してしまう事で多様性を摘んでしまってる気がして。

包括性より個別性といいますか、もっとそういう開いた目やアプローチが増えて良いのかな、とか。

勿論クラフト的なものもそうですし、他の分野でも同じような事が言えると思います。

漠然としていますが、その辺りで何か思うところなどあれば聞かせて欲しいです。

 

西:アクセサリー、ジュエリー、装身具、言葉の持つイメージはとても大きいですね。

わたしは作ったものが全てだと思っているので、あまりこだわらないようにはしているのですが、真鍮などの素材を使っているとクラフト感はよく抱かれますし、ジュエリーと呼ぶにはチープなものと捉えられてしまうことも少なくありません。

なんというかそれは「大きなイメージ」なのでしょうがないのかなって思う部分もありますが、でも確かに、もっと個別性があってカテゴライズされずに自由になったら、ちょっと世界が変わってみんなが今よりも生きやすくなるかもしれないな、って思います。

 

F:評価みたいなものの基盤に歴史(大きなイメージ)は前提として不可欠な面もあると思いますが、同時にもっとそこに手に取る人自身の価値観が入ってくると嬉しいな、とは思いますよね。

ブランドとして今後の展望などあれば教えてください。

 

西:普段から考えているので、小さいことから大きなことまでたくさんあるのですが、定番からゴールドラインを発表したいです。自身と同じように装身具も少しずつ変化していくと思うので、その変化を楽しんで実直にいいものづくりを続けていけたらと思っています。

 

F:西方さんにとっての「いいもの」ってなんですか?

 

西:いいものとは、そうですね、

心を込めて丁寧に作られたものかな、と思います。

 

 

 

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[nishikata chieko trunk show ]

 

会期:4/4(土)→4/26(日)

4月定休: 3,10.17.24(毎週金曜日)

会場:Fuligo店頭

 

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[2020年 イベントスケジュール]

 

・3/14~3/29     :GARA 2020 spring(ギャラリー)

・4/4~4/26       :nishikata chieko trunk show(店頭)

・4/18~5/10     :kitamura masahiro 個展(ギャラリー)

・5/2~5/17     :ETSUSHI popup(店頭)

・5/16~5/31     :MABATAKI美雨 個展(ギャラリー)

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窪田

 

 

nishikata chieko HP

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アクセス:

矢場町駅1番出口から徒歩5分

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毎週金曜日定休

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-Chi, アクセサリー, イベント

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