今年7月、ギャラリースペースにて展示販売会を開催したSix coup de foudre(シスクードフードル)。
年末を前に、心待ちにしていた店頭のお品が届きました。
今回お願いさせて頂いたのは熊革と鹿革。
8月、アトリエ兼ショップである東京都は台東区の『と革』を訪ねました。
「革一枚まるごと買い取らせて欲しい」
そういったお願いをさせて頂く為です。
通常、カラーやデザインで数量を決めてオーダーするのが一般的ですが、この様なオーダーだとどうしても次の製品を作るには大きさ的に足りない切れ端などが出てしまいます。
Six coup de foudreではそういった切れ端も廃棄せず、縫い留めて食器や花器を作ったりしながらエシカルなモノ作りを探究していますが、それでも切れ端が溜まっていってしまうのが現状です。
素材と向き合いながら、生み出す側の責任を持ってもの作りを続ける 高見澤 氏。
「革の切れ端まで、頂いた命を余さず使いきる」といった作り手としての気概も込みでお取り扱いさせて頂く為にこの訪問は先ず何より必要なものでした。
そして了承を得た後、高く積まれた大小様々な革の中より作家と選ばせて頂いたのが今回作品として店頭に並ぶ熊と鹿の『ジビエ革』です。
ジビエ革に関しては先の展示blogにも記載していますが、お読みでない方に向けて再度明記致します。
[ジビエ革とは]
猟師さんが狩猟の際に採った野生動物の革。
害獣駆除で採られた鹿や熊、猪の革などを指す言葉として『ジビエ革』と名付けました。
現在、その殆どが廃棄処理されています。
ジビエ肉として食べることがあっても、「革として活かす」という発想が世の中にありませんでした。
鞣して革にして革製品に生まれ変わる。
せっかく頂く命ですから、大切に無駄なく使い切れるように。
そんな命の有効活用ができればと活動を広めています。
その為、生きてきた証である傷などもデザインの一部だと考え取り入れています。
背景を持ってして純度や濃度、愛着が飛躍的に高まる物事って確かにあると思います。
僕にとって、彼の作るもの・作り手としての生き方がそれでした。
一枚の革からどういった大きさのものが幾つくらい作れるか。
端切れはどのくらい出るか。
対話しながら摺り合わせ、余った部分まで継ぎ接ぎ制作して頂いた作品達。
ここからは写真も交えてご紹介していきます。
・ワンタッチがま口コインケース (左:熊、右:鹿)
サイドにスプリングを仕込んだがま口コインケース。
軽く横から押し込みつつ、人差し指あるいは中指で後ろ側を押す事で開閉します。
片手でも使い易い一品。
・マネークリップ(鹿・鉄媒染)
革を剥ぐ時に入るナイフ痕。
床面(革の裏面・けば立った面)をあえて前に出したデザインも今回制作して頂きました。
ブランドコンセプトがしっかり反映された作品に仕上がっています。
色味の黒は、酢と鉄錆からなる媒染液に鹿の革を浸して着色しています。
太めのステッチがアクセント。
クリップ部分は開閉できる仕組みになっています。
カード収納スペースは使用頻度の高いカードを収納するスリットと、使用頻度は低いけれど常時持っておきたいその他のカードを収納するポケットの2箇所。
・フレームポーチ rectangle(小:鹿)
・フレームショルダー (大:熊)
携帯電話・スマホ・煙草・口紅など小物を収納するのに程よい量感のミニポーチと、財布や文庫本なども入るコンパクトでありながら容量にもこだわったショルダーバッグ。
ショルダーバッグは熊革のみとなります。
※継ぎ接ぎが映える写真3枚目左のがま口ポーチはお求め頂きました。
こちらはマネークリップと同様に床面を前にしたデザインと、革の表側にあたる銀面を前にしたデザインよりお選び頂けます。
ものとしては一つ一つ革の表情が異なりますが、店頭でご覧頂けるこれらは熊は熊、鹿は鹿、全て同じ一頭から成ります。
ものの生まれにまで各々思考を巡らせながら手に取って頂ければ幸いです。
店頭にてお待ちしております。
11月店休→ 11/21、11/30
※本来は毎週金曜日定休となりますが祝日などの兼ね合いから11月は一部変則となります。ご来店の際はご注意下さい。
窪田
アクセス:
矢場町駅1番出口から徒歩5分
栄12番出口から徒歩10分